ダメオトコに恋して、バカ男に恋されて。
あれは、友達と行った花火大会。

凪は、クラスメイト、という事以外
正直、まだ名前も覚えてなかった(笑)

それでも、たまに、
でっかい、声で、なんか叫んだりしてた事もあり

顔くらいは覚えてて。


花火大会なんて、
めんどくさいだけで、彼女とだって行かない。

だから先輩達にも
俺行かないーって言ってたけど、

その日の晩飯がなくて(笑)腹は空いたし、何より俺の地元の駅だったので、奢ってくれると言う先輩達について行ったんだ。

ついてそうそう
たこ焼き食べて、イカ焼き食べてってしてたら
ある程度満足したし、先輩達に言ったらまためんどくさく言われそうだから、連れの男の方に俺トイレって言ってそのまま輪を抜けた。


そのまま歩いていれば
目に入ったのがきゅうりの浅漬け。
美味しそうだし、何より他よりすげー空いてたから並んでたら……



* * *

「喉かわいたぁ!自販機どこよー!」

あはは。あれ、聞いた事ある声じゃん(笑)?

うーん。
名前……

なんだっけなー。

なんか、
うーん、山崎?山田?

山がついたよーな……。

顔はわかんだけどなー。

そんな事思いながら、
花火会場と反対に向かってきゅうりを食べながら歩いていれば、

いた。

あー。あの顔だよ!

うーん。

名前……


名前……
その時、その子が着てる浴衣を見ると、
白地に緑の葉っぱが可愛くて……。

あー。多分……。

「葉山ー?」

「東条くん?」


やった!正解!
ナイス俺!
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