ダメオトコに恋して、バカ男に恋されて。
イライラしながらも、
家に帰れば、珍しく、姉貴がいた。

もう、社会人にもなって、半分以上彼氏の家とかに転がり込んでるのに……週末の早い時間に家にいるとかいい予感がしない……。


「瑠依、早いじゃん。」

「まーねー。」

「金曜なのにデートは?」

「めんどくさい、てか、なんか疲れた。」

「いつもじゃんか(笑)」

「そーだけど別に、いいだろ。」


「へー。瑠依ちゃん、おねーちゃんにそんな事言うのかしら?」

「……。」

こう言う時の姉貴に逆らったら、まためんどくさいことが増えるのはもう、幼い頃からの学習でわかる。


「恋愛とか、もーいいわ。イライラする。」

「へー。」

「訳わかんないだよ。なんなんだよ。」

「へー。」

「可愛いのにさ。」

「へー。」


「泣きそうだったり、普通だったり、怒ったり、いきなりあんなん言われてどーしろっていうんだよ。」

「へー。」

「へーって。ねーちゃんが言えったのに、聞いてんの?」

「聞いてるー。で?それで、別れんの?」

「は?」

「いや、訳わかんないから、別れるのー?」


「は?付き合ってないし。てか彼女とか……そっか。そっちは別にもう別れよっかな、めんどくさかくなってきたわ。」

「て事は、ワケワカメちゃんは別の子なんだー。」


「なんだそれ。」

「おまえが言ったんだろ(笑)?」

「……ワカメがだよ。まぁ。とにかく、なんか疲れたから寝る。」

「ふーん。まぁ、瑠依、あんた、そのワカメちゃん、大事にしなよ?」

「……なんで。」

「えー?いい子なんでしょ?なら、優しくしないとね♡」


「……いや、優しくしてたつもりなんだけどね。」

「ふーん。あんたの優しさなんて、どーせ間違ってんだろ?」

「優しさに間違えとかあんのかよ。」


「あはは。相変わらずねー。
まぁ、それはそれとして、めんどくさいからまた、頑張らず何もせず終わり?」


「……考えるとイライラするし。」


「はは。イライラしてると、嫌われるぞー。ハゲるかもだし、そんな瑠依ちゃん、イヤよー。

男は器よ。器はでかくないとね。笑顔がないやつの隣なんかにいたくないでしょ。まぁ、たまに見せる笑顔とかもまたヤバイ、ギャップ萌え、最高(笑)」


「……なんか、ねーちゃんの好みの話になってる気がすっけど、まぁいいや。とにかく風呂入ってもう寝る。」


「瑠依、頑張らないやつは、何も手に入れられないってのは嘘よ、手には入る。運が良ければね。
ただ、運だけでいつまでも続くと思うな。その後が大事。それは、忘れんなよ。」


ねーちゃんの話は相変わらずだけど、
言ってる事はわかる気もするけど……。

どーしたらいいんだよ。

考えるとまたイライラもする訳で……

って、まぁ、とりあえず、

確かに、こんなにイライラしてたって、
器はでかくなんかなんねーだろうしな。

とりあえず、普通にしてれば、


また、


戻れるのかな?

そう思いながら、「んじゃ、寝る、おやすみ。」と言えば、

「あら、瑠依ちゃん、おねーちゃんのアドバイスだけ聞いて、私のお話は聞いてくれないのかしら?」

結局俺はその後もめんどくさい姉貴の恋愛事に付き合わされた訳だ。
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