☬あおむしは見た・携帯電話 ❤
一話 携帯電話
プロローグ
ぼくは葉っぱの上から見ている。いろんな人の人生を。
世の中には肌の色の違う人々が、引きしめあって生きている。地球上の至るところで。
あるところで新しい命が誕生したかと思えば、またあるところでは幾つもの命が消えてゆく。
ぼくたち、あおむしの世界でも、違う色のあおむしがたくさんいて、それぞれの生を楽しんでいるんだ。
いずれぼくは、羽化して美しいアゲハチョウになり、遠くへ飛んで行くことになるだろう。
それまでは、多くの人と出会って、お互いに愛し合い励ましあいながら、これからもずっと生きていきたい・・・・。
それにしても、こんな事件に遭遇するなんて、ぼく思ってもみなかったよ・・・。
‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘
携帯電話
山の上から吹いてくる風に、少しだけど冷気が感じられる。暑かった夏もいよいよ終わりかな。
そういえば、このオートキャンプ場に入って来るキャンピングカーもめっきり少なくなってしまった。
昨日は一台も来なかったキャンプ場に、今朝になってようやく一台の白いワゴン車が入って来た。
そのワゴン車はぼくのいる木のすぐ横に止まり、中から男の人と女の人、それになにやら賑やかな声がすると思ったら、男の子が二人出て来た。
ぼくは葉っぱの上から見ている。いろんな人の人生を。
世の中には肌の色の違う人々が、引きしめあって生きている。地球上の至るところで。
あるところで新しい命が誕生したかと思えば、またあるところでは幾つもの命が消えてゆく。
ぼくたち、あおむしの世界でも、違う色のあおむしがたくさんいて、それぞれの生を楽しんでいるんだ。
いずれぼくは、羽化して美しいアゲハチョウになり、遠くへ飛んで行くことになるだろう。
それまでは、多くの人と出会って、お互いに愛し合い励ましあいながら、これからもずっと生きていきたい・・・・。
それにしても、こんな事件に遭遇するなんて、ぼく思ってもみなかったよ・・・。
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携帯電話
山の上から吹いてくる風に、少しだけど冷気が感じられる。暑かった夏もいよいよ終わりかな。
そういえば、このオートキャンプ場に入って来るキャンピングカーもめっきり少なくなってしまった。
昨日は一台も来なかったキャンプ場に、今朝になってようやく一台の白いワゴン車が入って来た。
そのワゴン車はぼくのいる木のすぐ横に止まり、中から男の人と女の人、それになにやら賑やかな声がすると思ったら、男の子が二人出て来た。