結婚相手の条件
すぐに本題に入るのかと思っていたら
秀人は昔の話を始めてしまった
「これ、覚えてる?」
これ、というのは1枚のポストカード
覚える…というか、なんだろう?と
受け取り確認すれば
そこには懐かしい風景が映っていた
『ここ…、』
「うん、なんかビックリした。なんともない場所なんだけどさ、ポストカードになってて。たまたま見つけたんだけど、なんか、気になって買っちゃったよ」
本当に懐かしい
その風景は
どこにでもあるような
砂浜に青い海に空
ここは、初めて私達がデートした場所
秀人が告白してくれた場所だ
だから忘れることのできない
思い出の場所
本当に懐かしくて見入ってしまった
そこから、私達は私たちの思い出を語り合った
終わりにしようと決めていたことなんてすっかり忘れていた