結婚相手の条件
葵の事、諦めないよ
そう笑いながら席を立った秀人
「こちらにも考えがありますので」
井内さんが発した言葉が
秀人に届いたかどうかはわからない
まさかの真実に頭がついていかない
「ちゃんと貴方に話したかったのに、どうして勝手な行動を取るんですか?今朝、言いましたよね?」
『…はい、すみません』
アパートに戻り
何故、井内さんが
秀人と会う事を知っていたのか
聞こうとしたが、それより、と
説教を受けているところ
井内さんが言うことは最もだ
私が井内さんの言う事を
聞かなかったから悪いんだ
もし、井内さんが来なかったら
何も知らずにいたのだろう
『…けど、どうしてわかったんですか?』
スミレは休みでいない
それをわかったとしても
あのホテルのバーにいるなんて
誰にも言っていない