結婚相手の条件
決断
「立花さん、これ今日中にできる?」
ちらっと時計を確認し
にっこり笑い了承する
渡された資料を手にして
専用コピー機への前へ移動した
あれから、普通の日常が戻ってきた
秀人は姿を見せず
水沢雅美からの手紙は来なくなった
そして、気のせいかな?と思っていた
足音もしなくなった
井内さんだと思っていたが
あれはもしかしたら
井内さんの嘘だったのかもしれない
私を安心させるための…
「せんぱーい、これなんですけど…」
弱々しい声が近づいてくる
相変わらずのスミレだが
前ほど距離を取ろうとも思わない
『スミレ、いい加減覚えなさいよ?今日は手伝ってあげるけど、』
と、言葉を続けようとするが
スミレは私が気になっていたお店の
ケーキバイキングの券をチラつかせていた
いつの間にか私の扱いが上手くなったスミレに苦笑いだ