結婚相手の条件



心配だから、一緒に暮らそうと言ってくれた井内さんだが
そもそも私達は付き合っていない


それをお断りすれば
合鍵を要求されたのだ



「貴方に何かあったらどうするんですか?部屋に監禁されたら誰が助け出すんですか?」


距離をジリジリ縮めならが
言われたら、もう何も言えなくなり
わかりました、と
渋々合鍵を渡すはめになったわけだ


だからと言って
井内さんは無断でアパートに来ることはなく、事前に連絡をくれる
また明日、と帰る日もあれば
日中に連絡がくることもある



『もしかして、メールくれました?』


「ああ、遅くなってしまいましたが…」



ちらっとテーブルの上にあるスマホを見ればチカチカとランプが点滅している
今から行きます、という
井内さんからのメールがだろう


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