結婚相手の条件

プロポーズ




何故、総務課長と二人で…
しかも、個室なのか…わからない


ただ、私は総務課長の申し出を断らなかった…いや、断れなかったのだ
だって、あんな冷たい目で
ただ、放った言葉に
否定するなんて恐ろしくて無理だ
仕事の延長に思えてならなかった


けど、やっぱり
お断りをすればよかった…と後悔



「お酒ではなくて、良かったですか?」


『はっ、はいっ!!』



二人っきりの個室
しかも向かい合わせで
距離が近くて…目のやり場が困ります


失礼します、と
料理が運ばれる中
総務課長は上着を脱ぎ
キッチリ締められたネクタイを緩める
そんな姿を
懐かしいなー、と眺めていたら
パチッと目が合ってしまい
すかさず顔をそらしてしまった

しまった、と思ったが遅し…
「まったく、失礼な人だ」


すみません、と小さな声とともに
トン、と戸が締まり
また二人になってしまった


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