結婚相手の条件


その日は連日の残業でヘトヘトだったため、酔いが早くまわり
気が付いた時には
知らないホテルのベットの中
隣には社長の娘が
自分の腕を枕にして眠っている
見える肌に赤い痣がポツンと見えた


まさか、と思自分の姿を見れば
何も身につけていない



「ーー酔っていたとはいえ、全く覚えていないんだ。ただ、彼女の話だと酔っ払った俺を休ませようと社長が部屋を取ってくれて、彼女が付き添ってくれたわけで、どうやら俺が彼女を誘った…らしい」


酔った勢い…
その言葉は他人事ではない
だからと言って、秀人に同情はしない


『無責任ね』


「…そうかもしれない、けど記憶にないのに責任取れって言われて…。俺は葵と別れたくなかった、けど社長まで出てきて、もうどうにもならなくなっていた」


ガックリ肩を落としている秀人がかわいそうにも思えた
仕方がない、と
テーブルを挟み秀人の前に座った

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