結婚相手の条件
『別れたくないって、別れを切り出したのは秀人の方でしょう?』
そもそも、別れを切り出さなかったら
彼女の言う言葉も聞き流していただろう
「いや、違うよ。確かにさ、葵のお一人様に文句は言ったよ?けど、それだけで別れるなんてない、けど、まえにいっていただろ?結婚相手の条件…」
結婚相手の条件?
私は過去の記憶を辿る
秀人にそんな話をしただろうか?
…総務課長が言っていたのだろうか?
アレは確かにそう思っていた
けど、秀人と暮らすようになって
少しずつ変わっていった
『…それ、私が話した?』
「うん、会社の飲み会で、すげぇベロベロになって帰ってきた時、話してた」
あっ、
そう、思い出した
ベロベロに酔っ払って帰った次の日
秀人が機嫌悪かった
酔っ払って帰ったから怒ってるんだと
思っていた