結婚相手の条件
突然、おでこがヒンヤリした
冷たくて気持ちいい…
何だろうと思い、ゆっくり瞼をあける
誰?ぼんやりした視界の中に
ワイシャツを着て袖をまくって
何か作業をしている姿が見えた
『…ひ、…でと?』
声にならない声
届くはずがないと思ったが
クルッと振り返り私に近づいてきた
「大丈夫ですか?」
その言葉に、秀人ではない
じゃあ、誰?と
ぼんやりしていた視界がハッキリした
『ーーっ!そ、総務課長っ!!』
驚きすぎて、ガバッと起き上がってしまい、フラフラと身体が崩れていく
「無茶なことを…、」
呆れた声がしたが
総務課長の手は私を支え
ゆっくり寝かせてくれた
『…どうして?』
なぜ総務課長が私の部屋に?
ーあ、もしかして
さっきのインターホンを鳴らしたのは
総務課長なの?