結婚相手の条件



「お休みされると連絡を受けたとき、かなり辛そうでした。独り身であれば何かと不便かと思いまして、」


そう言いながら
飲みやすいようにペットボトルにストローを入れてくれ、私の口へと運んでくれた


躊躇ったが、熱さに喉はカラカラ
口をつけると冷たく
熱さを和らげてくれた



『…けど、』


そう、けどだ
なぜ貴方が、という疑問
私と接点なんてない
あるとしたら、この前の食事…


「お粥、作りましたが食べれますか?」


どうやら介抱してくれるようだ
もしかしたらこの前の謝罪?
断ろうにも
弱った私の身体と心は
拒むというより、求めてしまい
コクリと首を縦に振った


わかりました、と言った総務課長
微かに笑った気がした


…笑った?
そのあともずっと見ていたが
やはり笑ってはくれない
総務課長はフーフーとレンゲに乗ったお粥を冷まし、私の口へと運ぶ

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