結婚相手の条件
目がさめると、外は明るくなっていた
いつの間にか眠っていて
思ったより身体は怠くない
これなら仕事に行けると思い
身体を起こした
「起きて大丈夫ですか?」
どこからか飛んできた声に
身体がビクッとした
『…井内さん、』
すっかり忘れていた
井内さんはなぜかパリッとしているワイシャツを着て、昨日とは違うネクタイを締めていた
ベットの脇に腰を下ろし
私の額に自分の額をくっつける
ち、近いです!
熱を測る方法、他にもあるでしょう!
口に出す前に離れた井内さん
「微熱がありますね。やはり今日も休んでください」
そう言って軽くキスを落としてきた
とっさのことに
私は全く動けず、ただ井内を見るだけ
「帰りにまた来ます。鍵は預かります。飯は冷蔵庫に入れてあるから温めて食べてください」
それだけ言って、井内さんは出て行ってしまった
何も言えなかった私
ちらっと時計を見ればまだ6時半だった