結婚相手の条件
『ごちそうさまでした』
本当に美味しかった
何でもできる人なんだろうと思っていたが、ここまで完璧にできるなんて…
『あの、私、やっぱり井内さんとお付き合いできません』
食後に出された番茶を啜る井内さんに伝えたが、全く動じない
私の言葉は井内さんの耳に届いている?と不安になりながら
井内さんからの言葉を待った
けどいくら待っても
井内さんから何もなく
お茶を飲み干したのか
席を立とうとしている
『井内さんっ!!』
勢いよく立ち上がってしまい
カタン、とわたしの湯のみが倒れてしまい、番茶がこぼれてしまった
慌てて布巾で拭いたが
思ったより熱く、
あつっ、と手を引いた
「馬鹿、何やっているんですか」
井内さんは慌てて私の腕を掴み
シンクへと引っ張り
すぐに水で冷やしてくれた