結婚相手の条件


スミレに宣言通り
17時で上がった私は
その足で定食屋へと向かった



……が、



『うそっ!』


いつものれんが出ているはずの出入り口には、小さな張り紙がしてあった



【誠に勝手ながら、暫く休ませていただきます。 店主】




楽しみにしていた分、かなりショック
はぁー、とため息をつきながら
今日の夕食はデリバリーでいいや、と
肩を落としアパートへ帰ることにした


まだ空は明るい
だから気にもとめていなかった



…が、コツ、コツ、と
聞き慣れた足音に私は立ち止まった
バッ、と振り向くが誰もいない

少し離れたところに
親子らしき後ろ姿が見えるだけ



一体なんなの?と
鞄を抱えるように持ち
アパートに向かって走り出した


コツ、コツ、という足音は
タン、タン、タンという足音に変わったのが耳に入った
確実に追いかけて来ている



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