結婚相手の条件
『もしかして、この連日、私を追いかけていたのって、井内さんだったんですか?』
井内さんも夕食がまだだというので
二人分のデリバリーピザをとることにした
井内さんはもい慣れてしまったのか
私の部屋に入ると
当たり前のように上着を脱ぎ
ネクタイを緩め腕まくりをする
…で、私も慣れたのか
井内さんの上着をハンガーに掛けていた
井内さん?と話しかけると
何か考えている様子
「……ああ、君が全力で走るから声をかけそびれてしまっていました。それにしても足が速いんですね」
『やっぱり、井内さんでしたか。もう、それなら言ってください!そしたら嫌な思いしなくて済んだのにっ!』
井内さんだった、とわかれば
恐怖だったことが
何でもなくなる
良かった、と思っていたら
インターホンがなった
デリバリーピザが届いたのだろうと
玄関へ向かった