結婚相手の条件



ピンポーン、と
インターホンがなった


こんな時間に…誰?と思い
立ち上がろうとしたが
腕を緩めてくれない井内さん
井内さんの顔を見れば
シー、と人差し指を口元に立て
私の手を取り玄関へと歩き出した


何がどうなってるのかわからず
ただ、井内さんの背中を見るだけ


井内さんはドアの覗き穴を見ようとした時、ガチャガチャとドアノブが回された
けど、鍵はしっかりかかっており
ドアが開くことはなかった


悲鳴をあげそうになったが
慌てて口を押さえた
井内さんが再度覗き穴を覗こうとした時
ドアに付いているポストが閉じる音がした


何か投函された
それを取ろうとしたが
井内さんに止められてしまった


私の腕を掴んだまま
シー、と指を立て私の顔を見ている


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