結婚相手の条件


コツ、コツ、コツ、と
ヒールの音が聞こえた
それは遠ざかっていく


この足音…



去っていった足音
井内さんはゆっくり鍵を開け
ドアを開いた


井内さんは通路を確認すると
またゆっくりとドアを閉め鍵を閉めた
ポストに投函されたものを取り出した


白い封筒で
何も書かれていない
私はこれを前にも見たことある
受け取ろうとしたが
井内さんは勝手に開けてしまった



『い、井内さんっ!』


ビリビリと開けてしまい
中の手紙を勝手に読み始めてしまった
何が書いているか、
井内さんが読み終わるのを待っていたら
無言で手紙を渡された


その手紙には


【立花葵様】と
前回と同じ、綺麗な文字で書かれている
たぶん、水沢雅美さんだろう
だが、なぜ彼女がここに来たのか
今はもう秀人は来ていないし
連絡すら取っていない。


< 85 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop