結婚相手の条件
それから数日、必ず施錠をし
もしまた封筒が差し込まれたら
封を開けずに
井内さんに連絡をするようにと言われた
そして、井内さんは
私の部屋に来なくなり
その代わり…
「せんぱーい、た、助けてください」
悲鳴、という言葉がピッタリだ
キッチンを覗けば
必要以上に炎は燃え上がって
今にも換気扇に届きそうな勢い
このままだと
火災報知器が鳴り出しそうだ
『ちょっ、なに?どうして?』
スミレがエプロンをし
鍋と格闘している
なぜ、炎が上がるのか
全くわからない
だって…
『スミレ…カレーって言ってなかった?』
鍋の中を見れば
玉ねぎなのか
牛肉なのか
全く区別がつかないくらいの黒さ
まさか、カレーを作れないとは…
それなのに
スミレは自分が作ると言いだしたわけだ
やはり、今日も私が作るべきだった