結婚相手の条件


毎日のようにスミレは私の部屋に来てくれる
遅くなるから早く帰るように伝えるが
迎えに来るから、と言っていた


誰が迎えに来てるの?
気になって見送ろうとすれば
全力で拒まれる…
あれ?スミレ、あんた総務のお気に入りくんはどうしたのよ?
そう突っ込みたくなったが
スミレのお陰で怖い思いをしなくて済む



「先輩、ちゃんと戸締りしてくださいね」


『わかってるって、』


心配性なのか、何度も念を押される
苦笑いしながら
スミレを見送り
ドアを閉め、施錠をした


スミレが帰った部屋で一人
考えないわけがない



『…やっぱり、秀人に言うべきだろうか』


秀人と別れていないって思っているなら
もう関係ないということを伝えたい
けど、その術がない
もう、私は関係ないんだ
あとは二人でやって欲しい


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