結婚相手の条件
箱の中に入っていた写真は
シンクで燃やした
切り裂かれた写真も一緒に…
「寂しいでしょうから、泊まって差し上げます」
私の返事を待たずに
私のベットへと入ってしまったわけで
呼び出しといて終わったから
帰ってください、とも言えず
しばらくキッチンにいたり
ドレッサーの前にいたりと
時間を潰したが…無理だった
「いい加減、諦めてください」
そう言いながら
右手で布団を剥ぎ空間を開けている
……入れ、と?
井内さんの横顔というか、
胸の中…でしょうか?
えっ、と…と、戸惑っていると
手が疲れる、と文句を言いだす井内さん
断る選択はないと判断し
失礼します、と断りを入れ
井内さんの腕の中へと
身体を滑りこませた
うっ…、
意外と近く、井内さんの顔がどアップ
おやすみ、と言った数秒後
スースーと寝息を立て始めてしまった