結婚相手の条件
少しだけ、羨ましいと思った
こんな素敵な場所
連れてきてもらったことはない
付き合っていた頃に…
出来れば、秀人の事をすきだった時に
連れてきて貰いたかった…
クイッと口にする赤ワインが
いつもより苦く感じてしまう
「葵、ごめん、待った?」
振り返れば
スーツ姿の秀人
急いで来たのか
額にジンワリ汗か滲んでいた
懐かしい…
そうだった、
いつも私は約束の時間10分前に着いて
いつも秀人を待っていた
急いでくる姿が嬉しくて
あえて10分前に着ていた
『大丈夫よ、私も今来たところだから』
私の言葉を聞きながら
グラスのワインを確認し苦笑いをしている
もう殆ど入っていない
ごめん、待たせて
いつもそうだった
幸せだった日々
それはもう二度と戻らない…