結婚相手の条件



少しだけ、羨ましいと思った

こんな素敵な場所
連れてきてもらったことはない
付き合っていた頃に…
出来れば、秀人の事をすきだった時に
連れてきて貰いたかった…


クイッと口にする赤ワインが
いつもより苦く感じてしまう




「葵、ごめん、待った?」



振り返れば
スーツ姿の秀人
急いで来たのか
額にジンワリ汗か滲んでいた



懐かしい…
そうだった、
いつも私は約束の時間10分前に着いて
いつも秀人を待っていた

急いでくる姿が嬉しくて
あえて10分前に着ていた



『大丈夫よ、私も今来たところだから』


私の言葉を聞きながら
グラスのワインを確認し苦笑いをしている
もう殆ど入っていない



ごめん、待たせて



いつもそうだった
幸せだった日々
それはもう二度と戻らない…


< 99 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop