Amour éternel à vous
ガチャ
「あれ?鍵が開いてる・・・」
玄関の靴を確認すれば、ここ数週間見かけることのなかった物が2足。
お母さんたちが帰ってきてる・・!
久しぶりに会う両親の顔を思い浮かべながら、意気揚々とリビングの扉を開けようとした・・・その時。
「また私に押し付けるの!?」
「別に押し付けてるわけじゃないだろ」
両親の争う声が聞こえてきて、咄嗟にドアノブに伸ばした手を引っ込める。
「押し付けてるじゃない!貴方はそうやっていつも私に育児を押し付ける!」
「お前は母親なんだから育てるのは当然だろ」
「貴方だって父親でしょ!?今まで私に育児を丸投げしてきたんだから、貴方が萌を引き取ってよ!」
治まるどころかどんどんとヒートアップしていく両親の口論。
居た堪れなくなった私は、黙って家を飛び出した。
どこだっていい。
とにかくあの場所から離れたかった。