キラキラ 〜17歳妊娠*不思議な15日間〜



それから1時間ほど、座って話をした。


咲幸が生まれた時のコト。

生まれてからの咲幸との生活のコト。

そこには昔みたいにギスギスした空気はなくて、ただ穏やかに時間が流れていった。



「慰謝料よこせとか言われるかと思った」

『えっ?』

「お前から電話かかってきた時にさ…」

『あはは♪びびった?』

「ちょっと…(笑)」



あの拒絶された日が嘘みたいに智輝と笑って話せるのは、

きっと咲幸がいてくれるからだね。



「なぁ…抱っこしてもいいか?」

『うん…してあげて?』

そう言って、咲幸を智輝の腕に委ねる。


「軽っ!」

『あはは♪まだ6キロくらいだもん!』


ぎこちない手付きで咲幸を抱っこする智輝の目が、とても優しく見えた。


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