キラキラ 〜17歳妊娠*不思議な15日間〜



記憶の奥に残る大好きだったお父さん。

そのお父さんが今…あたしの前にいる。


あたしの記憶に残るその人よりも少し若々しい。
でも…背は高いのに細身な体も
優しいメガネの奥の眼差しも
すべてがあの大好きだったお父さんそのもので…

あたしの瞳は溢れる涙で埋め尽くされ、視界はぼやけていった。


「なんだぁ…ゆきえは寝てるのかぁ〜」

あたしの目の前をお父さんが通り過ぎチビゆきえの側へ。

「あっ、起こさないでよぉ〜!やっと寝てくれたんだから」

「はいはい、わかりましたよぉ〜だ!ただいまゆきえ〜♪」

そう言いながら、スヤスヤ夢の中のチビのおでこにチュッ唇をつけるお父さん。

「もぉぉ〜!起きちゃうってばぁぁ〜!!」

プリプリ怒りながらも、嬉しそうなお母さん。






そうだった。

お父さんとお母さんは、子供達が照れるくらい仲が良かったんだよね。


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