専務に仕事をさせるには
結局私は軽井沢まで朝食を食べに来て居る。
うーん。美味しいー。
空気も美味しいけどこのパンも朝取り野菜サラダも美味しい。
それになんと言ってもこのフワフワなオムレツは最高!
こんなフワフワなオムレツ初めて食べる。
口の中で弾けて溶けるオムレツ。
こんなに大きいけど2つ3つは軽く食べれる。
カロリーは気になるから幾つも食べれないけど、本当に美味しいー。
私が食べるのを嬉しそうに頬杖を付いて見ている専務。
「そのオムレツ卵は1つしか使ってないからもうひとつくらい食べる?」
「えっ? この厚みで卵1つしか使ってないの?」
びっくりなんですけど!?
「要が女性を連れてくるなんて珍しいな?」と、そこへシェフ姿の男性がオムレツを持って来てくれた。
「そうか?」
「それもこんな綺麗なお嬢さんを連れてくるとは叔母さんに連絡しとかなきゃな?」
「余計な事言わなくて良いよ?」
専務とシェフはお知り合い?
「こいつ、智也とはガキの頃からの知り合いでね」と専務が教えてくれる。
「要は昔から女の子にはモテたんだよ。 だから君も大変だろ?」
「いえ、私はそんなんじゃありませんから」
智也さんは何か誤解している?
「良いよ隠さなくても? 要がここに連れてくるんだからただの友達じゃないだろ? 今度はメープルシロップをかけて食べてみて」
智也さんはオムレツにたっぷりメープルシロップをかけた。
えー? オムレツにメープルシロップですか…
恐る恐るオムレツを口へ運ぶ。
「ぅわーなになにこれ? 美味しいー! ほっぺたが落ちそう。 ホント最高!」
「アハハハ。最高か? 有難う。 最高の褒め言葉だよ」
智也さんは笑ってごゆっくりと言って厨房へ入って行った。