専務に仕事をさせるには

私は地下駐車場から一度外へ出て改めて玄関ロビーから出社する。

玄関ロビーの受け付けには洋子が居た。

洋子は私を見つけるなり走って寄って来る。


「リンリン、昨日はごめんね急に彼が来ちゃって… 大丈夫だった? 今朝何度も電話したんだけど繋がらないし、会社にも出社して来ないから心配したんだよ?」


洋子だけは私の事をリンリンと呼ぶ。

洋子はちょうど休憩に入るところだったらしく一緒にエレベーターに乗りこんだ。

さっきコンビニでで簡易充電器を買って充電したら洋子からの留守伝が何件も入っていた。


「ごめん。 携帯の充電するの忘れてたの」


「あの彼、人の良さそうに見えたけど何もされなかった?」


そっか洋子も専務に会ってるんだよね?


「うん。 大丈夫」


「良かった!」


ちょうどエレベーターが5階に到着した。


「私、会議の準備があるから行くね?」


エレベーターを下りると私は右の更衣室へ洋子は左の食堂へと別れた。


私は更衣室のロッカーへ荷物を置き、開発部の有る7階まで階段を上がる。





< 16 / 216 >

この作品をシェア

pagetop