専務に仕事をさせるには

「リンリン、工場長の宮沢さんに呼ばれてるんだが、俺の予定の調節をしてくれるか?」

「急がれますか?」

早い方がいいと言う専務に調節すると言って私は専務室を出て調節する為に電話を掛けた。

今日は午後いちで渉が調査報告書を持って来る事になっていた。

この時間を明日の朝に変更して貰い、専務には今日工場長の元へ向かって貰う事にし、私はパソコンの修理の事がある為、社に残る事になった。

専務を見送った後、パソコンを何とか起動できないかと弄ってみるがやっぱり無理のようだ。

やっぱり修理かな…

修理以来を庶務課へ連絡しようとデスクの電話の受話器を取ったところで、室長が秘書室に入って来た。

あれ?…

「お疲れ様です…室長?小菱デパートの方は、社長だけが行かれたのですか?」

「小菱デパートは明日の予定ですが?」

えっ明日?

「瀬戸さん、会長は13時にはお見えになりますので、お見えになったらお茶をお願いします」

「ま、待って下さい!会議は明日の予定では!?」

「いいえ、会長の意向で本日に変更になったと昨日皆さんにメール入れて有りますが?」

あ…私、鈴木さんにやられた…

「瀬戸さん、メール確認してないのですか!?」と室長は厳しい眼差しを向ける。

だって確認したくても確認できなかったんだもん…

「実は今朝から私のパソコン調子が悪くて、メール確認出来なかったので、鈴木さんに確認をしたのですが…」

そこへ鈴木さんが戻って来た。

「鈴木さん!どうして会議の変更の事教えてくれなかったんですか!?」

「なんの事かしら?私はちゃんと伝えたわよ 11時から14時に変更になって!」

「だって今日に変わったなんて…」

「あら?私はちゃんと伝えたわよ?あなたが聞き逃したんじゃないかしら?それを私の責任にされてもね?」

鈴木さんはそこに居た伊藤さんと恩田さんに同意を求めた。

私の事を良く思っていないふたりは、責任をひとに押し付けるなんて、と冷たい視線を向ける。

だから室長は手書きのメモを、と言っていたんだ。

今更、悔やんでも仕方ない。それより専務に連絡を取らなくては…





< 173 / 216 >

この作品をシェア

pagetop