専務に仕事をさせるには
高速をおり暫くすると工場が見えて来た。
100メーター先にちょうど車が止まったのが見えた。
ちょうど専務も工場に着いたところの様で車から降りてきた。
「あっ居た!」
私はクラクションを鳴らし、そして専務の前に横付けする。
「リンリン?」
専務はフェラーリに乗って現れた私に驚いていた。
「専務!乗って下さい!」
何がなんだか分からない様子の専務と出迎えに出ていた宮沢工場長に急ぎ伝える。
「副社長にやられました!私のミスです」
専務は大体の検討が付いたのか宮沢工場長に一緒に来てくれという。
「リンリン、変われ俺が運転する」
「いえ、私の方が速いです!」
専務は少し考えたが直ぐに分った頼むと言って助手席に乗り込んだ。
ふたりにはシートベルトをしっかり留めて捕まってくださいと言って走らせる。
ふたりに私のミスの原因を話し必ず会議までに間に合わせると伝える。
しかし工場長はいくら何でも間に合わないだろと心配するが、なんとか間に合わせるしかない。
室長はなんとか開始時間を遅らせると言っていたが多分無理だろう。
高速に入るとスピードを上げる。
「リンリンが免許持っていたとはな?」
「車は無いと言いましたが、免許を持っていないとは言ってませんよ?」
「そうだな?雅人の店でそんなこと言っていたな?しかし、良くこのじゃじゃ馬を手懐けたな?」
私はいい車ですね?と微笑み更にスピードを上げる。
「おい!捕まっては元も子もないぞ!?」
専務がスピードを落とせというがスピードを落としては間に合わない。