専務に仕事をさせるには
月曜日いつもの様に出勤して専務にマンションの資料を渡す。
「俺的にはどれでもいいけどな?あっこれ彼奴のとこだな?」
専務が今見ているのは光永不動産の物件の資料。
私の中ではイチオシの物件だ。
「これは無いな」
えっ!?
専務は間取りもなにも見ること無く却下と言う。
「専務、そこ結構オススメだと思いますよ?」
「だろうな?一番上に置いてあったからな?だけど気に要らない!」
内容も何も見ていないのに何が気にいらないのか。
「彼奴が気に要らない!からこれは無し!」
「彼奴って光永さんの事が嫌いって事ですか?」
「ああ…はぁ!?彼奴の名前光永!?って言ったら光永不動産の関係者か!?絶てぇーここは無し!!リンリンに気がある奴から買わねぇ!」
はぁ…勝手にしてくれぇ!
何処に決めようが私には関係ないからね!
「とにかく、専務から伺った要望に合せてピックアップしただけですので、後は専務がご覧になってどうするかを決めて下さい。私はこの後室長と打ち合わせがありますので失礼します」
一礼して部屋を出ようとしたが、専務からまたしても有り得ないミッションが出た。
なんで、私が探さなきゃいけないのよ!?
ざけんじゃないわよ!!
私をなんだと思ってるの!?
私は… わたし…は…
私は秘書だ…
「…とさん、瀬戸さん?」
「え?あっはい何か?」
「どうかしましたか?さっきから私の話は上の空の様ですが?」
しまった…室長の話全然聞いてなかった。
「すいません…ちょっと専務に頼まれた事を考えていたものですから」
「今から会場の確認に行きたいと思いますが?大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」