専務に仕事をさせるには
室長と創立記念パーティの行われるホテルへと向かった。
担当者と打ち合わせをし、当日の流れを確認するため、会場へ案内してもらう。
「流石に大きな会場ですね?」
「そうですね、今回は要の副社長へ就任と後継者としてお披露目をすると言う目的も有りますからね!招待客はいつもより多くなります。あっ瀬戸さんは今回初めてですね?」
「はい。パーティの様子は社報で見てはいましたが」
「毎年行われる創立記念パーティと違って50周年と言う節目の年ですからね」
「私パーティっと言ったら友達の結婚式に1度出たくらいで…あっ子供の頃、母の仕事関係のパーティに出たこと有るらしいですけど覚えてないので…」
「そうですか?まぁ当日は専務の秘書として要の横に居れば問題ありませんよ?」
「えー私は裏方じゃ無いんですか?」
「貴方には今後の事もありますから、要と一緒にご挨拶に回っていただきます」
受付か何か裏方だと思っていたから、専務の側に居て挨拶に回るなんて…考えただけでも緊張する。
打ち合わせが終わり、社へ戻ろうとした時2階フロワーの窓から中庭のチャペルが見えた。
「すいません。室長、少し待ってて守らもらえますか?」
室長に断りを入れブライダルカウンターで資料を貰ってくる。
「瀬戸さんそれは?」
「今日、専務に式場を探すように言われまして…2階の窓からチャペルが見えたので、ついでに資料を頂いてきたんです」
「そう?やっと要も決心したか?じゃ今度のパーティではもう一つお披露目予定かな?」
え?…
室長も専務にそういう人がいる事を知っていたの…
そうか…もう私の仕事も本当に終わるんだ…
「室長、今日の予定は終わりで宜しいですか?」
「そうだね?招待状の発送も手配済みだし、会場の方もいつも担当してくれてる清水さんだから問題ないし、まぁ後は前日に会場の最終確認だけかな?」
私は寄りたい所があるからと室長とホテルで別れた。