専務に仕事をさせるには

「しかし! フィット感が全然違います! 着心地が違い過ぎます!!」


「専務! モデルなんかの意見など必要ないのでは!?」


佐世保常務が言うと他の役員達も同調する。


「そうですよ? 女性の下着は色っぽけりゃ良いんですよ!」

「着心地なんて二の次、女だって男に見せる為に身につけるんですよ?」

「そうそう勝負下着って言うじゃないですか?」


なんだと!?

色っぽけりゃ良いだと!?

ふざけた事言うんじゃないよ!?

あんた達はそれでも下着メーカーのトップ達なの!?


ガウンを持つ右手拳が震える。


もう我慢出来ない!!


私は持っていたガウンを床に投げつけた。


「ぁ」 バンッ!!


私が重役達に文句を言おうとした時専務が机を叩いた。


「巫山戯た事言ってるんじゃねーよ! 下着って物は直接肌身に付ける物だろ!? 着心地が悪いなんて話にならない! 女性物は着心地やフィット感そしてデザイン全てが兼ね揃って無ければ売れない! 特にブラジャーはな!! 一度着心地が悪いと思ったら二度と身に着けない。 そして一度離れた女性客は二度と戻ってきませんよ!? 消費者を甘く見るんじゃない!?」


専務…


「要君!? 君はどう言うつもりだね!? 今まで会議にも出ず遊んでばかりで仕事もしていないのに突然現れてひっかきまわすのは辞めて貰おうか!?」






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