専務に仕事をさせるには

すると専務は勿論、株主である重役の面々と宮沢工場長、それから小野課長までも手を上げる。


えー小野課長もそんなにうちの株持っていたの?


手を上げていないのは佐世保常務と小岩開発部長、ただ二人だけだった。


「佐世保常務の解任は可決されました!」


社長はまるで木槌で机を叩くかの様に裁決を下す。


すると、扉が開き警備員が入って来て佐世保常務の両脇を抱え連れて行く。


「小岩開発部長? あなたにも追って処罰を下します。
それまで自宅謹慎! 良いですね!!」


社長の言葉に小岩開発部長はガックリと肩を落として会議室を出て行った。


「ここに居る重役の皆さんも、もう少しまともなお仕事をして頂かないと明日は我が身と思って下さい。 下着姿の瀬戸さんを見て鼻の下を伸ばして居るだけでは重役の椅子に座る資格は有りませんよ!」


社長の話にひとりクスクスと笑っている専務。


ひょっとして専務が社長に言ったの?…


「要? あなたも笑ってないで、もう少し会社の方に顔を出しなさい!」


「社に顔を出さないから今回の情報が集めれたんでしょ?」


「そうね? あなたには感謝してるわ! だから私の後を」


専務は社長の話は聞かないと言わんばかりに席を立つ。


「さー少し昼寝でもしようかな? 昨夜は誰かが寝かせてくれなかったから」と専務は私を見る。


えーそれ私のせいなの? 


専務はネクタイを緩め欠伸をしながら会議室を出て行った。

そして他の重役達も小さくなって出て行った。




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