専務に仕事をさせるには

う〜ん… 頭痛い… 

昨夜は飲み過ぎたかな? 


昨日は同期の篠田洋子と飲んでいた。

毎度の事だが私は仕事の事を愚痴りだすとたちが悪いらしく、お酒の抑えが効かなくなる。

終いには何処でも寝てしまう。

だから飲む時は一人で飲まないようにしている。

仕事の愚痴をこぼすのも親友の洋子だけにしている。

だから目が覚めるといつも洋子の部屋のベットを独占している。


「洋子、ごめん… また迷惑かけたね?」


飲み過ぎて腫れ上がった重い瞼を開けると隣に見ず知らずの裸の男が居た。


「ん? ここは何処? ああ夢か…」

と再び瞼を閉じる。


「おいおい現実逃避するなよ? あんな事しておいて忘れたなんて無しだからな?」


ん? あんな事? 
隣には知らない男が裸…


布団の中の自分を手探りで触るとパンツだけは履いて居て取り敢えずホッとする。


「えっと… あんな事とは?」


「あんな事と言ったらあんな事だろ? その格好見たら分かるだろ?」


「いや… そう言われても… この格好はいつもの事で…」


私は寝る時は下着もなにも着けずに裸で寝る。

開放感があってぐっすり寝れるから。

だが洋子にパンツぐらい履いてよ!と言われてからは友達の家ではパンツは履いて寝る。

だからこの格好は自分の中では至って普通なのだ。


「ふーんだから部屋に入るなり服を脱ぎだしたのか? 俺にも早く服を脱げって言って迫ったしな?」


私が迫った? マジですか… 

洋子にはいつかこういう事になるから気を付けろと言われていたのに…

とうとう知らない男と寝てしまった。

あれ? でも洋子は? 

昨日は確かに洋子と飲んでいた。





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