専務に仕事をさせるには
「私に務まりますかね?…」
開発部に戻って小野課長に報告したい事があると言うとコーヒーを飲みながら聞くと言って2階のサロンに来ていた。
「まぁクビになりたく無かったら体を張って頑張るのね?」
「そうですよね…」
「まぁ社長は悪い人じゃ無いからそんなに心配しなさんな? 何か考えがあってあなたを専務の秘書にしたんでしょ?」
「考えねー?…」
ただ銅鑼息子の教育を私に押し付けただけみたいだけどなぁ…
イケメンの側で仕事が出来るのは嬉しいけど?
私なんかで務まるかな?…
「それよりスタイルの良い子探さないとね…」
小野課長は私の悩みより私の後任の事で頭がいっぱいの様だ。
6時の就業時間が過ぎた頃専務からメールが入った。
【終わった?】
【終わりません】
20分後…
【終わった?】
【まだ終わりません】
さらに20分後…
【終わった?】
【だからまだ終わりません!】
しつこいな!!
終わってないって言ってるじゃ!!
今度は電話が鳴った。
『終わろ?』
「まだ終わらないとメールしましたよね? 私は午前中の分も仕事しないといけないんです!」
『どうして?』
「どうしてって…」
そんな事あなたも知ってるじゃない!
「午前中仕事をサボったからです! とにかく8時30分まで待ってて下さい! 待てないなら今日の約束はキャンセルです!」と、言って電話を切った。
いつもは遅くまで誰彼残っているのだが、今日は秋の新作プレゼンも無事終った為皆んな定時に帰って行った。
私は残務処理も終わってるし他にやり残した仕事が残ってる訳じゃないけど3年間お世話になった開発部の部屋を掃除していた。
8時30分になると2課の部屋のドアが開いた。