専務に仕事をさせるには

入って来たのは専務。


「もーお腹空いたー!」


ガキか!?

でも、確かに私もお腹空いた。

今日はオムレツを食べてからコーヒーしか口にしていなかったけ?


「ちょうど掃除も終わったし、じゃ行きますか?」


更衣室から持って来ておいた机の上の荷物に手を伸ばすと急に専務に引き寄せられ唇を奪われた。


「んー!んー!」


私は専務の胸を叩き抗議すると専務はやっと離れてくれた。


「何するんですか!?」


「大人しく8時30分まで待っていたんだからご褒美くらい貰ってもいいだろ?」


「はぁ!? ご褒美って何よ!? 子供じゃあるまいし! それにこの場合ご褒美を上げるなら私からでしょ?」


「じゃ、リンリンからして」と専務は目を瞑って顔をつき出す。


綺麗な顔…

やっぱり専務はイケメンだな…

キスしたくなる。

私は少しの間見惚れていた。


「早くー」と言う専務の声に我に返る。


私は何考えてるんだ!?


「こういう事は辞めてください! セクハラです!」


「俺は今日パワハラ受けたけど?」


「………」


それを言われると…


「まぁいいやお腹空いた行こう」


専務が私の腰に手を回そうとするからその手を払い落した。


「痛っ」


「必要以上に触らないで下さい! だれが見てるか分かりません。 誤解を招くと仕事がやりにくくなりますから」


「チェッ」


「では私の行きつけのお店にご案内します」


エレベーターで1階に下り玄関ロビーに出る。


「車は地下だぞ?」


「近くですので徒歩で参ります」





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