専務に仕事をさせるには

うちの会社の専務取締役… 

海外の商社で働いていた息子を二年前に社長が呼び戻したと聞いている。

でも仕事もしなきゃ会議にも一切出て来ない。

女遊びばかりしている社長の


「銅鑼息子(どらむすこ)!?」


あっ…


思わず声に出してしまって慌てて口に手を当てるが時すでに遅し。


「おいおい… 本人に向かって銅鑼息子はないだろ? まあ本当の事だから仕方ないけどな アハハハ」


大きな口を開けて笑う銅鑼息子。 もとい専務様…


「ひょっとして… 私が麗美堂の社員と知ってます?」


「昨日いろいろ話してくれたからね?」


「すいません!!」と再び頭を下げる私。


自分の会社の専務を襲っちゃったて事だよね?

マジでヤバイよね?


「気にしなくていいよ? ねぇ今から軽井沢までドライブしない? 美味しい朝食食べさせる所が有るんだ」

にっこり微笑む専務。

イケメンの微笑み。

ぅわー専務の周りだけキラキラ輝いてる。

まるで少女漫画の王子様みたい。

口を開け物欲しげに惚ける私。


あっいかんいかんヨダレが垂れそうだ。


「専務!? 今日は重役会議でプレゼンの日ですよ!? 専務は会議に出なくて良いんですか?」


「会議ねぇ? それって俺が出ても変わんないでしょ? すでに商品は出来上がってる訳だし? 俺は下着姿より裸の女性の方が良いなぁ」


なんでこの人が専務なの?

社長の息子と言うだけで重役報酬貰って腹立つわー!






< 7 / 216 >

この作品をシェア

pagetop