レジーナ フィオリトゥーラ
ボキッと鈍い音に驚いて目を覚ました。
「ここはどこ?」
朝のひんやりとした空気に体を震わせると、辺りを見回した。
硬い床で寝ていたせいか、動くと全身が、鈍く痛む。
音の正体は、暖炉にくべられた大きな薪が折れた音だった。
あんなに赤々と燃えていた炎は、とっくに消えていて、黒焦げになった薪が横たわっているだけだった。
私の上に掛けられた古びたマントと隣で体を丸めてスヤスヤ寝ているハリネズミを見て、全ての記憶が、よみがえる。
はっきりしてきた頭で、頬をつねってみた。
やっぱり夢じゃない。
「この子って、ルカだよね?」
恐る恐るハリネズミを突っついてみると、ハリネズミは、わずかに寝返りを打った。
「きゅ~。」
ハリネズミは、金切り声で唸って、また寝てしまった。
「え?」
背筋が寒くなるのを感じた。
も、もしや。
怖くなった私は、今度は、ハリネズミを激しく揺さぶった。
それでもハリネズミは、しばらく私に眠ったまま、揺さぶられて続けた。
五分ほど経った頃だろうか、やっとハリネズミがうっとおしそうに目を開けた。
「何だよ?もうちょっと寝かせてくれたっていいだろう。せっかちな奴だな。」
少々、不機嫌なものの、少年特有のハスキーな声。
私は、心底ほっとした。
同時に安堵の涙もぽろりとこぼれた。
「まったく、何だっていうんだよ。」
目の前に現れた少年は、寝ぼけ眼で文句を言った。
「夢落ちかと思って。」
「はあ?」
ルカは、ぼさぼさの頭を掻きながら、聞き返してきた。
「ここはどこ?」
朝のひんやりとした空気に体を震わせると、辺りを見回した。
硬い床で寝ていたせいか、動くと全身が、鈍く痛む。
音の正体は、暖炉にくべられた大きな薪が折れた音だった。
あんなに赤々と燃えていた炎は、とっくに消えていて、黒焦げになった薪が横たわっているだけだった。
私の上に掛けられた古びたマントと隣で体を丸めてスヤスヤ寝ているハリネズミを見て、全ての記憶が、よみがえる。
はっきりしてきた頭で、頬をつねってみた。
やっぱり夢じゃない。
「この子って、ルカだよね?」
恐る恐るハリネズミを突っついてみると、ハリネズミは、わずかに寝返りを打った。
「きゅ~。」
ハリネズミは、金切り声で唸って、また寝てしまった。
「え?」
背筋が寒くなるのを感じた。
も、もしや。
怖くなった私は、今度は、ハリネズミを激しく揺さぶった。
それでもハリネズミは、しばらく私に眠ったまま、揺さぶられて続けた。
五分ほど経った頃だろうか、やっとハリネズミがうっとおしそうに目を開けた。
「何だよ?もうちょっと寝かせてくれたっていいだろう。せっかちな奴だな。」
少々、不機嫌なものの、少年特有のハスキーな声。
私は、心底ほっとした。
同時に安堵の涙もぽろりとこぼれた。
「まったく、何だっていうんだよ。」
目の前に現れた少年は、寝ぼけ眼で文句を言った。
「夢落ちかと思って。」
「はあ?」
ルカは、ぼさぼさの頭を掻きながら、聞き返してきた。