あの頃、きみと陽だまりで





いやだ

いやだ、いやだ

この子の命が尽きること

俺の心に再び希望をくれた深津先生が、悲しむこと



いやだよ

生きて、ほしいよ



ねぇ、神様

いるのなら、聞いてほしい。

俺の、最期の願い。



俺はどうなってもいい。だから、彼女を助けて。

きっと、まだ楽しいことややりたいこと、たくさん待ってるはずなんだ。

そして、そんな彼女が生きていくことを強く望む人たちがいる。



これ以上、深い悲しみが広がらないように。



お願いだ。

彼女を、助けて。

彼女の命を、繋いで。





そう一心に願いながら、意識が薄れていく。

視界が真っ暗になって、なにも見えなくなった。



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