あの頃、きみと陽だまりで
4.オレンジ色の空
カンカンカン……と鳴る踏切の音に包まれながら目をあければ、そこは見慣れた教室。
窓の外には爽やかな青空が広がっている。
そんな中、突然背中を蹴られ、床に膝をつくと、当たり前のように多数決が行われた。
『なぎさのことうざいと思う人』
『はーい』
『全員賛成、ってことでなぎさ有罪~』
腕を引っ張られ
髪を掴まれ
床に伏せれば手を踏まれ
頭から、水をかけられる。
痛い
つらい
苦しい
誰か、たすけて
だれか
そう助けを呼びたいのに、声が出ない。
いつしか世界の音はすべて、踏切の音にかき消された。
くるしい
くるしい
くるしい
しに、たい