この広い世界で、2度目の初恋を
「あのっ!!」
「いいから、見ろって!」
小声で文句を言おうとしたら、小声で宇佐見くんに言葉を遮られる。
私は渋々消しゴムを見つめる。
すると、そこには……
『1+1は?』
「………………」
写真とかで、2……『に~』と言って笑わせるアレだ。
何で笑わせたいのか、意味不明だよ。
どうしよう、くだらなすぎて、何も言えない。
言葉を失うって、こういう事を言うんだと思う。
私は消しゴムになんの面白みもなく『2』と書いて、返した。
「…おい、そこは"に~"だろ」
「…………」
「なぁ、聞いてんのか?オーイ」
ちょっと……。
宇佐見くんって、クールなキャラじゃないの??
すごく……すっごーーく面倒くさいんだけど!!
心の中で叫びながら、私は平然を装ってひたすらに黒板を見つめ続けたのだった。
ーキーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り、授業が終わる。
すると、すかさず宇佐見くんがこっちに体を向けて「おい」と声をかけてきた。