この広い世界で、2度目の初恋を
「笑いすぎだろ!」
「ふふっ、だって……ハハッ」
なんだか変なツボに入ってしまった。
一人、笑っていると、樹くんがじっと私を見つめていることに気づいた。
「樹くん……?」
不思議に思って首をかしげると、樹くんは照れくさそうにはにかむ。
「やっぱ……笑ってるほうがいいなお前」
「え??そ、そうかな……」
急に何を言い出すんだろう、恥ずかしい。
照れくさくなって俯くと、樹くんの気配が、私に近づくのが分かった。
驚いて顔を上げると、樹くんの手が、私の前髪をかきあげる。
「え……」
「学校じゃあ、今みたいに思っきり笑ったりしないだろ。だから七海の笑顔が新鮮に見える…」
樹君はまるで目に焼き付けるようにただじっと私を見つめた。
「そんな…見ても、面白くないよ?」
「いや…… 何時間でも見てられる」
「あ、あの……近く…ありません?」
ついに耐えられなくなって樹君に尋ねると、我に帰ったのか、慌てて手を離してのけぞる。