この広い世界で、2度目の初恋を
水族館の、一階にあるお土産屋さんに辿り着くと、私達は早速サメのお土産を探す。
「サメの人形があるよ、七星」
私が手にとったのは、ヒョウザメというヒョウの柄が入ったようなサメの人形。
「ヒョウザメだ!!これがいい!!」
満足したのか嬉しそうに人形を抱きしめる。
そんなの七星を見ていると、樹くんにトントンと肩を叩かれた。
「七星の欲しいもん決まったか?」
「あっ、うん!ヒョウザメの人形にするって」
「分かった。ならここ人多いから、七海たちは入り口んとこいてくれ」
「え、でも……」
樹くんに、買いに行かせるのも、代金のことも申し訳ない。
完全に樹くんの手には七星から受け取った、ヒョウザメの人形がある。
「いーから、気にすんな。あっちで待ってろ」
そう言って、スタスタとレジに並んでしまう樹くん。
本当こういうところスマートだよね。
ここの入場券も買ってもらったのに……。
私は言われた通り七瀬と一緒に、お店の入り口で持つことにした。