この広い世界で、2度目の初恋を


水族館の、一階にあるお土産屋さんに辿り着くと、私達は早速サメのお土産を探す。

「サメの人形があるよ、七星」

私が手にとったのは、ヒョウザメというヒョウの柄が入ったようなサメの人形。

「ヒョウザメだ!!これがいい!!」


満足したのか嬉しそうに人形を抱きしめる。

そんなの七星を見ていると、樹くんにトントンと肩を叩かれた。

「七星の欲しいもん決まったか?」

「あっ、うん!ヒョウザメの人形にするって」

「分かった。ならここ人多いから、七海たちは入り口んとこいてくれ」

「え、でも……」

樹くんに、買いに行かせるのも、代金のことも申し訳ない。

完全に樹くんの手には七星から受け取った、ヒョウザメの人形がある。


「いーから、気にすんな。あっちで待ってろ」

そう言って、スタスタとレジに並んでしまう樹くん。

本当こういうところスマートだよね。

ここの入場券も買ってもらったのに……。

私は言われた通り七瀬と一緒に、お店の入り口で持つことにした。




< 106 / 300 >

この作品をシェア

pagetop