この広い世界で、2度目の初恋を


「…………」

私は無言で教科書を立ててトントンと角を揃える。

そして、机の中へと閉まった。

「オーイ、無視かよ!!」

「…………」


最後まで無視を決め込んで、ガタッと椅子を鳴らし立ち上がる。

鞄からハンカチを取り出して、お手洗いへ向かおうと廊下へ出ると、タッタッタッと後ろから宇佐見くんが追いかけてきた。


「なぁ、何で喋んねーの??」

「…………」

うぅ……。

やめてよ、ただでさえ宇佐見くん長身なんだし、威圧感がすごいのに…。


「さっきは喋ってくれたじゃん」

「…………」

私、確か『あのっ!!』しか言ってない気がするけど…。

あれを会話と呼んでいいのか……怪しい。


「なぁ、返事し……」

「申し訳ないけど、本当に迷惑だから!!」

私は立ち止まって、宇佐見くんを振り返る。

そしてキッパリとそう言った。

宇佐見くんは驚いたように目を見張る。




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