この広い世界で、2度目の初恋を
「怖い…んです。だから……もう、何もいらない……」
「添田さん……そうだね、今は少し休んだらいい。心が、泣いているからね」
鈴原先生は、そっと私をベッドへ促した。
私はそれに甘えて、ベッドに横になり、そっと目を閉じる。
それと同時に、頬にツゥゥッと、涙が流れた。
「……もう、好きになんて……ならない」
恋なんて、馬鹿みたい。
そんな不確かなもの、信じた私が悪いんだ。
いい学びになったじゃない。
「樹くんなんて……好きじゃないよ……好きじゃない」
恋なんてしない。
もう二度と、誰も好きなんてならない。
そうだよ……それでいいんだよね。
私は何度もそう、自分に言い聞かせるように呟いた。