この広い世界で、2度目の初恋を
《Side.樹》傷つけたくなくて
「はぁぁ〜……」
俺は、体育館の片隅で頭を抱えてしゃがみ込んだ。
「おーい樹、お前大丈夫か??」
そんな俺の前に、亮ちゃんが心配そうにしゃがみ込んでくる。
今は体育の授業中。
七海に本当のことを知られて、逃げられた後、結局、三枝達に引きずられて、俺は授業に出てる。
それどころじゃねーのに、アイツを追いかけなきゃいけねーのに、どんな顔して会ったらいいのか分からなくて、俺は逃げたんだ。
「全然、大丈夫じゃねーよ」
「だろうな、顔やべーもん」
「やべーって何だよ、失礼なヤツだな」
「だってよー、こうドヨーンって、負のオーラを纏ってんぞ、お前!」
この俺の落ち込みようを見ても、亮ちゃんは馬鹿みたいに明るくて呑気だ。
この脳天気さに、なんか救われる気がするのは、なんでなんだろうな。