この広い世界で、2度目の初恋を
「こっち見んな、七海」
「宇佐美くん……?」
わけが分からずに、私は戸惑う。
きっと深い意味は無い、そうだよ……。
でも、こんなに突き放したのに、私を大事な存在だって、思ってくれてる?
「大事な人が傷ついてんなら、俺は全力で守る。お前とはちげーんだよ」
「なっ……教師に向かってお前とは何ですか!?」
「生徒に授業出るなとか脅す方がどうかと思うけどな」
すでに宇佐美くんの口調も荒くなっている。
それほどまでに、宇佐美くんが怒っているのが分かった。
「全く……面倒ですね、あなたは。添田さん、いいですか、言いつけは守るように」
「私……」
頷こうとして、ポンッと頭を宇佐美くんに撫でられる。
それが、まるで"大丈夫だ"と言われているようで、また泣きそうになった。
「お前の言うとおりにはさせねーよ。覚えとけ、七海が自分の意志で生きれるようになるまで、俺が守る」
宇佐美くん……。
私が、私の意志で生きれるようになるまで?
そんなの……。