この広い世界で、2度目の初恋を
「七海、ぜってぇーに忘れるな。俺は、七海を一人になんてしない、もう悲しませねぇから」
「樹くん、私は樹くんにひどいこと言ったのに、どうしてそこまでしてくれるの?」
私は、嬉しい気持ちと、戸惑いとが入り混じって、樹くんに気になっていたことを尋ねた。
「……言ったろ、七海が大事だって。これだけ言っても分かんねぇ?」
「わ、わかんないよ……」
わからない、樹くんが優しくしてくれる理由なんて。
「鈍いんだな、七海」
「え、え?」
「でも、今言ったら七海の弱みにつけ込むみてーで嫌だから、まだ……な」
そう言って、私を見つめる瞳がいつも以上に優しげだったのは、私の気のせい?
その温かい眼差しに見つめられながら、冷え切った私の心が、少しずつ癒えていくのを感じていた。