この広い世界で、2度目の初恋を


「七海はいるか!?」

「え……樹くん?」


ジャージに着替えた樹くん。

とっくに体育館に行ったと思ったのに、どうして、こんなところに……?


「探したろ!!またなんかあったかと思うだろーが!」

「え、え?」


切羽詰まった顔で私に駆け寄る樹くん。

私は、そんな樹くんに驚いて目をしばたたかせた。


「いなくなる時は俺に言え」

「は、はい……もしかして、心配して…くれた?」

「もしかしてじゃなくて、心配した」


ードキンッ

あぁ……。

どうして、樹くんの一言一言って、こんなに私の心を動かすんだろう。

私は、やっぱり樹くんが好きなんだって、思い知らされる…。


「傍にいなきゃ、ちゃんと守ってやれねーだろ」

「うん、ありがとう……」


心から、そう言った。

樹くんの存在は、私を支えてくれてる。

だからこそ、失う日が来たらって、怖くなる。


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