この広い世界で、2度目の初恋を
「なにすんだよ〜、樹〜っ」
「七海に馴れ馴れしくすんな」
「どんどん過保護になってくなー樹は」
苦笑いを浮かべる亮くん。
樹くんが、過保護……??
私が樹くんを見上げると、パチッと視線が合う。
「っ……見んな」
樹くんは、恥ずかしそうに視線を逸らした。
「い、樹くん……」
なんでかな、私まで恥ずかしい……。
そんな目で見るの、やめて……ドキドキで死にそうだから。
「でさー、探し物ってなんの事??」
亮くんの声で、我に返る。
そうだった、樹くんに舵くんの事、説明しないと…。
「あのね、舵くんは、私の探し物を手伝ってくれてたの。もう、大丈夫だから……」
「え、でもまだ見つかって……」
「ううん、いいんだ、ありがとう舵くん」
ただでさえ、私の事で心配かけてるのに…。
これ以上、迷惑かけたくない。
明日も、学校に来るんだし、一人で探してみよう。
心配そうな舵くんに、私は首を横に振った。