この広い世界で、2度目の初恋を


「なにすんだよ〜、樹〜っ」

「七海に馴れ馴れしくすんな」

「どんどん過保護になってくなー樹は」


苦笑いを浮かべる亮くん。

樹くんが、過保護……??

私が樹くんを見上げると、パチッと視線が合う。


「っ……見んな」

樹くんは、恥ずかしそうに視線を逸らした。


「い、樹くん……」

なんでかな、私まで恥ずかしい……。

そんな目で見るの、やめて……ドキドキで死にそうだから。


「でさー、探し物ってなんの事??」

亮くんの声で、我に返る。

そうだった、樹くんに舵くんの事、説明しないと…。


「あのね、舵くんは、私の探し物を手伝ってくれてたの。もう、大丈夫だから……」

「え、でもまだ見つかって……」

「ううん、いいんだ、ありがとう舵くん」


ただでさえ、私の事で心配かけてるのに…。

これ以上、迷惑かけたくない。

明日も、学校に来るんだし、一人で探してみよう。

心配そうな舵くんに、私は首を横に振った。





< 197 / 300 >

この作品をシェア

pagetop